婚礼たんすを3台の家具へ。約70年前の三段重ね桐たんすリメイク事例(栃木県のお客様)
栃木県にお住いのお客様からご依頼ただいた桐たんすのリメイクが出来上がりました。
仕上げはオイル仕上げを施し、金物は磨き直しをして再使用しました。


上段は桐たんす上部を二重天板に加工し、桐たんす下部は木製四つ足を製作して取り付けました。


中段と下段は桐たんす上部を二重天板に加工しました。




ご依頼内容
今回お預かりしたのは、約70年前に製作された三段重ねの桐たんすです。
お客様がご結婚の際に用意された大切な婚礼たんすで、長年にわたり大切に使われてきた思い出の詰まった一棟でした。
年月は経っていましたが、とても丁寧にお使いになっていたことが伝わる状態で、大きな傷は少なく、良い状態を保っていました。
「これからも暮らしの中で使い続けられるようにしたい。」
そんなご希望から、現代の住まいに合わせたリメイクをご依頼いただきました。
作業前の状態
約70年という年月を感じさせる風合いはありましたが、木部には大きな傷や破損が少なく、お客様が大切にされてきたことがよく分かる桐たんすでした。
一方で、金物は経年により変色し、本来の美しい意匠が隠れてしまっていました。
そこで、一つひとつ丁寧に取り外し、時間をかけて磨き直すことにしました。
リメイク内容
三段重ねだった桐たんすは、それぞれを独立した家具として使えるよう、3台の低いたんすへリメイクしました。
高さを抑えることで圧迫感がなくなり、リビングや寝室など、現代の住まいにも取り入れやすい家具へと生まれ変わっています。
最上段のたんすには、新たに4本脚を製作して取り付けました。脚の高さはロボット掃除機が入るように設計し、見た目の軽やかさと日々の使いやすさを両立しています。
また、天板は強度を高めるとともにデザイン性も考慮し、二重天板へ加工しました。重厚感が増し、家具としての美しさもより引き立っています。
金物に隠れていた美しさ
今回のリメイクで特に印象的だったのが、金物の再生です。
長年の変色を丁寧に磨き落としていくと、これまで隠れていた繊細で美しい模様が少しずつ姿を現しました。
職人が手間を惜しまず仕上げた当時の金具の意匠は、現代ではなかなか見ることのできない美しさがあります。
磨き直した金物はそのまま再使用し、桐たんすが持つ歴史や品格を受け継ぎながら、新たな家具として息を吹き返しました。
ブラウンオイル仕上げで現代の住まいに調和
木部はブラウン色のオイル仕上げを施し、桐のやさしい木目を活かした落ち着きのある表情に仕上げました。
オイル仕上げならではの自然な質感が、磨き上げた金物の美しさをより一層引き立て、和室はもちろん洋室にも馴染む家具となっています。
職人より
婚礼たんすには、ご家族の歴史や人生の節目が刻まれています。
伝工舎では、ただ古い家具を修理するのではなく、お客様の思い出を受け継ぎながら、これからの暮らしに寄り添う家具へとリメイクすることを大切にしています。
今回のように、磨き直した金物から当時の美しい模様が現れる瞬間は、職人にとっても大きな喜びです。
思い出の詰まった桐たんすを、これからも何十年と使い続けられる家具へ。
↓リメイク前の桐たんすです

↓桐の机の再生
同時にご依頼いただいた桐の机の再生も出来上がりました。


仕上げはオイル仕上げを施し、金物は塗装をして再使用しました。
↓再生前の桐の机



