【職人冥利に尽きる再会】30年前に私が手掛けた桐たんすを、再び手作業で新品同様に再生(埼玉県のお客様)
埼玉県にお住いのお客様からご依頼ただいた桐たんすの再生が出来上がりました。
仕上げは砥の粉仕上げを施し、金物は汚れを落として再使用しました。

はじめに
「30年前に作ってもらった桐たんすを、もう一度綺麗に仕立て直してほしい」
そんな胸が熱くなるご依頼をいただき、お預かりしたのは約30年前に私自身が心を込めて製作した桐たんすでした。
長い歳月を経てご愛用いただき、こうして再び工房に戻ってきたたんすと向き合う時間は、職人として誠に感慨深く、身が引き締まる思いでした。
【再生前】大切に使い込んでいただいた30年の物語
お預かりしたたんすは、30年という時を感じさせる表面の汚れやシミが見受けられました。
しかし、丁寧にお使いいただいていたおかげで、大きな傷や歪み、割れなどはなく、比較的とても良い状態を保っていました。30年前に施した構造や組手がしっかりと機能を果たしている様子を確認でき、大切に扱ってくださったお客様への感謝の気持ちでいっぱいになりました。
| 項目 | 再生前の状態 |
| 年代 | 約30年前(伝工舎 代表・自作のお品) |
| 状態 | 表面に汚れ・シミあり/大きな傷みや歪みはなく良好 |
| ご要望 | 汚れを落とし、購入時の美しさに戻したい |
【修理作業】伝工舎こだわりの「水洗い」で木肌を素の状態へ
伝工舎では、すべての修理作業の前に必ず丁寧に「水洗い」を行います。
長年のご使用で付着したほこりやシミ、表面の汚れをたっぷりの水でしっかりと洗い流します。かつて自分自身のタガネやカンナで仕立てた桐の木肌が、水洗いを経て再び素の美しい表情を取り戻していくプロセスは、まさに職人冥利に尽きる瞬間でした。
【再生作業】30年前の記憶を呼び覚ます伝統の砥の粉仕上げ
しっかりと乾燥させ、細かな調整を行った後、ご購入時と同じ仕上げを施しました。
- ご購入時と同じ「砥の粉(とのこ)仕上げ」30年前のお引き渡し当時の感動を再現するため、伝工舎伝統の「砥の粉仕上げ」を丁寧に施しました。やわらかな桐特有の肌触りと、上品で美しい木目がきれいに蘇り、まるで工房から仕上がったばかりの新品のような輝きを取り戻しました。
- 金物は汚れを落として再使用30年間たんすを静かに見守ってきた金物は、丁寧に汚れや皮脂・酸化を取り除いて磨き上げ、再取り付けいたしました。新品に付け替えるのではなく、ともに年月を重ねた金具を活かすことで、当時の面影と風合いを大切に残しています。
【職人より】
自分が30年前に作った家具と再会し、再び自分の手で新品同様に磨き上げることができるのは、職人としてこの上ない喜びです。
桐たんすは、しっかりと仕立てられていれば、30年、50年、100年と世代を超えて何度でも生まれ変わらせることができます。
「昔作ってもらった思い出のたんすを綺麗にしたい」「長年愛用してきたけれど、そろそろお手入れをしてあげたい」とお考えの方は、ぜひ伝工舎へご相談ください。一仕立て一仕立て、心を込めて末永くお使いいただけるよう再生いたします。
構成や表現の調整、修正したい箇所などがございましたら、お気軽にお申し付けください。
↓再生前の桐たんす



